大阪女の徒然日記

交際半年で復縁婚した三十路女が語る恋愛や結婚や育児・子育てのあれこれ

口唇裂(口唇口蓋裂)の私が結婚・出産した話。〜妊娠・出産編〜

こんにちは。ママライターのゆきです。

口唇口蓋裂という先天性異常で生まれてきた私のこれまでを2回に渡って書いてきましたが、今回はいよいよ妊娠・出産編!

 

以前の記事はこちら!

口唇裂(口唇口蓋裂)の私が結婚・出産した話。〜恋愛編〜 - 大阪女の徒然日記

口唇裂(口唇口蓋裂)の私が結婚・出産した話。〜結婚編〜 - 大阪女の徒然日記

 

 

 

さて、口唇口蓋裂患者は周囲から結婚を反対されたり、交際相手が結婚をやめてしまうことがあると前回の記事にも書きました。

それは、口唇口蓋裂「こどもに遺伝する可能性がある」というのが大きいのではないかと思います。

 

口唇口蓋裂は妊娠初期の母体の栄養障害、ストレス、ステロイド薬・鎮痛剤といった形態異常を誘発する薬の服用、風疹、放射線照射などが原因で発生すると言われています。また、一部では遺伝によるものもあります。しかし原因は複合的な場合もあり、7割が原因不明です。

私も親や兄弟、親戚に同じ病気の人はいませんし、母も心当たりはないと言っていました。

つまり、口唇口蓋裂は遺伝だけが原因ではなくて、誰にでも起こりうるもの。親が口唇口蓋裂だからといって遺伝するかどうかも分からないのです。
 
 
 

 

そんな私ですが、夫婦で話し合った結果、「こどもを作らない」という選択はしませんでした。お互いこどもが大好きで、自然と家族が増えることを望んでいたからです。
遺伝の可能性を忘れたことはありませんでしたが、たとえ何があっても私たちが全力でサポートして、一緒に乗り越えていこうと思っていました。
 
そして、以前は「遺伝してはいけないから」とこどもを生むことをどこか諦めていた私が、なんと結婚してすぐに妊娠したのです。
 
 
妊娠したらまず初めのステップ。病院で赤ちゃんの心拍を確認します。そして心臓が動いていることが確認できたら、いよいよ妊婦健診がスタート!
日々、喜びと不安とこそばゆいような誇らしいような、色とりどりの感情が渦巻いていました。
だって、自分のお腹にもう一つ、新しい命が宿っているんですから!この経験を与えてくれた我が子と夫に感謝してもしきれません。
 
 
妊娠して悩んだのは病院選び。
周辺には人気のある病院がいくつかあるのですが、病院が綺麗だとか食事が豪華といった理由が主でした。
いいなー!一生に何度とない経験だし!きっと産まれたら髪の毛を振り乱して育児することになるだろうから、出産の時だけはお姫様のようにお世話してもらって、ゴージャスな気持ちを味わいたいなぁ!
なんて思っていたのですが…
 
そう、私の場合はこどもが口唇口蓋裂で生まれてくる可能性がある。
口唇口蓋裂で生まれてきた赤ちゃんは、すぐに手術をしたり医療行為を受けるわけではありません。すぐに裂けている部分を治せるわけではないのです。
とはいえ、生まれてきたら合併症がないか全身状態を診てもらったり、おっぱいを飲ませる時のサポートを受ける必要があります。(裂けている部分から漏れてしまうので飲ませるのが難しいみたい!)
 
というわけで、ゴージャスな出産に憧れはありましたが、断念。何かあった時に適切なサポートを受けるため、総合病院で産むことを決めました。
検診中にお腹の赤ちゃんが口唇口蓋裂だと診断された人の中には、転院しなければいけない人もいらっしゃるかもしれません。気に入った病院だったのに!とか病院が遠くなってしまった!という事もあるかもしれませんが、赤ちゃんのために良い病院へ行かれてくださいね。そうすればとっても綺麗に治りますよ!
 
 
妊娠してとにかく嬉しくて毎日スキップしたいぐらい幸せな毎日でしたが、やはり気になるのは口唇口蓋裂のこと。
妊婦健診ではエコーのたびに「赤ちゃんの顔をしっかり見てください!異常がないか確認してください!」と先生にしつこく言っていました。
 
だって検診の時間って短いんですよね。次の検診まで本当に長くてすごく待ち遠しかったのに、いざ始まると診察もエコーもあっという間!全身のバランスだとかは見てくれるのですが、顔の造作は二の次といった感じだったから。
 
先生には私が口唇口蓋裂であることを伝えていたので、しっかりとエコーで診てもらうことができました。顔がうまく映れば10週を過ぎたぐらいから診断できるようです。
 
15週を過ぎた頃。

先生はエコーの画像を見ながら「たぶん大丈夫だと思う」と言ってくれました。

あの時のほっとした気持ちはこれから先も絶対に忘れません。

 

世の中にはたくさんの病気や障害があります。32才の初産。今考えてみれば、もっと心配することはもっと他にもあったかもしれません。それでもその時の私にとっては我が子が口唇口蓋裂かそうでないかは何よりも大事なことでした。

こんなことを書くと悲しむ人がいるかもしれませんが、私は口唇口蓋裂で生まれてきたことが本当に嫌でした。不幸だと思っていました。20年近くにも渡る治療は、私の生活のいつも近くにあって、入院や矯正や術後の治療に費やす日々。治療が終わってからですら、顔をじっと見られると萎縮して心が落ち着きませんでした。病気さえなければ。そう思っていました。そんな私なので、同じ苦労をこどもに背負わせたくないと真剣に思っていたのです。

 

ちなみに、別のクリニックで4Dエコーを受けた時は「問題はありません」とはっきり断言されました。私が通っていた病院は2Dエコーでしたが、2Dよりも4Dのほうが立体的に映るので判断しやすいのかもしれませんね。

通院していなくても4Dエコーだけやってくれる病院はありますので、興味がある方は「4Dエコー」「外来」「お住いの地域」といったキーワードで調べてみてください。

 

 

その後、私は無事に臨月になり、出産の日を迎えました。初産ながら出産は5時間を切る安産!それは今まで経験したことがない程つらくて幸せであたたかい体験でした。

そして、こどもは口唇口蓋裂ではありませんでした。だけど、それよりも、無事に生まれてきてくれてありがとうという気持ちでいっぱいでした。私のこどもになってくれてありがとう。あなたが私たちを幸せにしてくれたように、きっとあなたを守るよ。幸せにするよ。

 

可能であればまだこどもを持ちたいと思っている私たち。

実は、第二子以降のほうが口唇口蓋裂が発生する可能性が高いと言われています。

ということは、これからもこどもが出来れば同じように不安が付いてくるということ。いや、確率はもっと高まるということ。

それでもしっかりとこの問題に向き合って、これからも私たちらしい家族を作っていきたいと思います。

 

赤ちゃんの先天リスクを軽減するために葉酸を積極的に摂取しましょう!

 

 

 

では今回はこれにて終了。

最後まで読んでいただきありがとうございました!