大阪女の徒然日記

交際半年で復縁婚した三十路女が語る恋愛や結婚や育児・子育てのあれこれ

口唇裂(口唇口蓋裂)の私が結婚・出産した話。〜恋愛編〜

こんにちは。ママライターのゆきです。

タイトルの通り、私は口唇口蓋裂という病気で生まれてきました。

 

口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)は上くちびると上あごが裂けている状態で生まれてしまう先天性の異常のこと。

妊娠初期。赤ちゃんの顔の部分は目や口などもまだなくて、ただの突起物(!)がいくつかボコボコとある状態。それらが段々とくっついていくことで、顔面が出来上がります。

口唇口蓋裂はその過程で突起物がうまくくっつかず、上くちびると上あごの部分が割れたような状態のまま生まれてしまうというもの。裂けていると言っても、破れてしまったわけではなくてその逆。そもそも分かれていたものがくっつかなかったというのが正しいです。

鼻とくちびるの間に溝のようなくぼみがありますよね。あれは鼻の下の右側と左側がくっついた跡なんですよ!

 

口唇口蓋裂は、顔面に発生する異常としては一番多く、およそ500人に1人の割合で発生すると言われています。発生率から言えばそこまで珍しくないもので、それゆえに治療法もしっかりと確立されています。治療と言っても、裂けている部分を本来の形にする、見た目を整えるといったことがメインなので、一般の人が持っている「病気を治す」というイメージとは違うかも。

 

というわけで、口唇口蓋裂の治療に関することはインターネット上にたくさん情報がありますし、私が受けた30数年前の治療よりも技術は格段に進歩しているので、ここでは省略。

もし口唇口蓋裂について調べていただく時は画像に注意してくださいね。(知らない方が見るとショッキングなものが含まれているかもしれません。)

で、私はあまり語られない口唇口蓋裂患者の恋愛と結婚について書いていきたいと思います。

では、今回は恋愛編!

 

 赤ちゃんの先天異常のリスクを軽減するために葉酸を積極的に摂取しましょう!

 

 

 

 

私が初めて結婚を意識するような恋愛をしたのは20才の頃。

2つ年上の彼は大学卒業を控えていて、実家に戻って就職することが決まっており、私が大学を卒業したら結婚しようという約束をしていました。

だけど、彼に口唇口蓋裂のことは言えなかった。彼の実家は田舎の古風な家で、彼は跡取り息子。結婚を反対されたらどうしよう、それ以上に彼に嫌われたらどうしようと怖かったんだと思います。

口唇口蓋裂で同じような悩みを持っている方は多いんじゃないかと思います。正直なところ、口唇口蓋裂であるということは自分と相手だけでなく家族や周囲にまで影響を与えかねないのです。結婚するのにも反対されたり、子どもを持つ時に新たな問題が出てきたり…これらについては次回以降の記事に書いていきますね。

で、その後、彼は地元で就職して遠距離恋愛に。しばらくしてから、その彼がなななんと浮気!!!しかも良心の呵責に耐えきれないと、ご丁寧に自ら告白してくれました。

2人とも大学生だった頃は、お気楽な学生生活でお互い時間もたくさんあったので、しょっちゅう会うことが出来ていたのですが、社会人になり私とも遠距離になってしまった彼はストレスと寂しさから浮気してしまったらしい(彼談)。それが原因でお別れすることに…悲しい恋の結末。

 

そんな浮気サレ女の私ですが、今まで結構モテたんですよ!証明できないけど!

顔がタイプだと言われたこともあったし、可愛いと言われることもたくさんあったもん…本当だよ…

 

 

でも口唇口蓋裂の私にとって、顔を褒められるのはものすごく複雑でした。裂けていたくちびるを形成して整え、崩れていた鼻に軟骨を移植して、機能面は全く問題なくなっていました。

しかし、くちびるから鼻のところにかけて傷あとがしっかりとありますし、くちびるは引きつっているような感じで形も不自然、鼻の形も左右揃っていません。

「その傷どうしたの?」と聞かれたらどうしようといつも思っていたし、見つめられると何か変だと思われているんじゃないかとびくびくしていました。キスの前なんかとくにね!

私は顔がおかしい状態で生まれてきたんだから普通とは違う。可愛いわけがないじゃない!

 

ちなみに、思春期になると先生から「コンシーラーやファンデーションで傷を隠しましょう。口紅を塗るとより分かりづらくなるよ。」というアドバイスをもらいました。実際にどんな色の口紅がいいか、色見本で確認しながら!

病院でこういう事まで教えてくれるんですよね。化粧をすることで少し自信を持てるようになれたので、とても有意義な治療といえます。それから自分でも雑誌やyoutubeでいっぱい勉強しました。可愛いは作れる!

(男性はひげを生やすと傷が隠れて良いみたいです!)

 

 

恋愛の話に戻って。

その後、数人の方と付き合ったのですが、誰からも傷のことを聞かれることはありませんでした。気付いていないのか、気付いていないフリをしてくれたのかは分かりません。そして、自分から病気のことを言うこともありませんでした。

お泊まりをしてすっぴんになっても、傷あとにはしっかりコンシーラー。それだけは欠かしませんでした。隠さないといけない、そんな想いでいっぱいだったから。

 

その時の気持ちを思い返すと、

病気というほんの一つのことだけで、私の全てが嫌われてしまったら嫌。自分が何かしたわけでもない、お腹の中で起こってしまったことなのに、大人になった今でも悩まされるなんて。なんで顔に傷があるんだろう。といった気持ちでした。だけど黙っているのは後ろめたい。

20代はずっと自分を心の底からさらけ出すことが出来ない恋愛をしていました。

 

 

 

そんな私の考え方がゆっくり変わっていくきっかけになった出来事がいくつかあります。(ずっと背負ってきたものだったので、なかなか急に前向きになることは出来ませんでした)

★私は人とは違う!かわいそうな私!という気持ち全開で友達に打ち明けたら「ふーん。全然気づいてなかったわ。」という薄っすらリアクションだったとき。

★お母さんに「自分ではすごく気になると思うけど人から見たらそんなに気になるような感じではないよ」(あとそんなに人はあんたのこと見てないよ。)と言われたとき。

★テレビである女優さんが「この方のように顔が完全に左右対称なのは数万人に一人です」と紹介されているのを見て、普通の人も顔にアンバランスなところがあって当たり前なんだ!と気付いたとき。

 

 

時は流れて30才。

私は今の旦那である彼と付き合いはじめます。この人と結婚したい。しかしそう思った私に大きな壁が立ち塞がるのです…!

 

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